| 「インドに行く。」とかいうやつなんか大嫌いだった。 |
| わかった風な顔して、何気にどこか寛容さを誇示するかのようなオトナな態度。 |
| 日本の居心地のわるさを、密かに自分の純粋さを主張するかのように遠い目をする。 |
| 安易な「自分探し」とかって言葉にはむしずが走る。(「自分探し」って行為は素敵だが。) |
| 本当の自分と実際の自分と理想の自分との距離なんて、自分で測れるもんなんだろうか。 |
| 人は鏡に向かうとき、決して無防備な顔つきじゃない。 |
| そんな面白くない友人がいたからかもしれない。 |
| いや所詮、嫉妬やひがみなんだろう。むやみにイラつきを投げつける自分を憂れう。 |
| そこは僕の場所なんだ。 |
| いつの頃からか僕の触覚はヒンズーの聖地ベナレスへと向かっていた。 |
| 本棚では98年度版の「地球の歩き方」が使い古した辞書のように膨張し、出番はまだかと |
| 不満げにしていた。藤原新也が、妹尾河童が囁きかける。 |
| 実際、いつからベナレスという街が自分にインプットされたのか覚えていない。 |
| しかし、いつしか僕は「枯レル世界」「Sunshine rise」といった表裏一対の世界観に作品 |
| を支配されていく。生と死が共存する河と呼ばれるガンジズ。本当はこの世のすべての |
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| 空間にそれは共存し内包されているのだろうが、赤ん坊を洗う母親の脇を、召されたばかり |
| の遺骸が流れていく、、、そんな光景を具体的に実像として見てみたかったのだ。 |
| インドは旅人に語るという。 |
| 「さあ、いらっしゃい!わたしは実はあなたなのだ。」 |
| いってやろうじゃないか!! |